服部みれいさん著の自分をたいせつにする本のまとめです。
色々なHSP関連の本を読んでいくと、HSPの気質と付き合うには、
自己肯定感が大切だということが分かります。
でも、自己肯定感ってどうやったらあがるの?と思ったときに手にとった本です。
「自分風」の自分とは?
この本で核になるのは、自分を大切にすることで、
「自分風」だった自分から本来の自分に戻ろうという考え方です。
「自分風」の自分で生きている
↓
なにか「変化」や「問題」が起こる。生きづらさに気づく
↓
「自分風」に気づく
↓
自分をたいせつにすることをはじめる
↓
「自分風」の「着ぐるみ」を一枚一枚ぬいでいく
(このときに、からだやこころの「毒出し」があるケースが多い」)
↓
ほんらいの自分が少しずつ顔を出す
↓
さらに「着ぐるみ」を根気よく脱いでいく
↓
ほんらいの自分が輝きだす
↓
自分自身でいることで、まわりの人を照らし始める
自分をたいせつにする本 服部みれい著
では、「自分風」とはどういう状態なのか。
私達は誰しも「子ども時代」を経て大人になります。
その過程で、親や学校の先生や兄弟、さらにはメディアなどを通じて社会から、
様々は価値観を植えつけられます。
「人に迷惑をかけてはいけない」とか「がんばらないといけない」とか
「時間を無駄にしてはいけない」とか「立派な人間にならないといけない」とか
それはもう様々な価値観に触れます。
特に一番身近な親からは強く影響を受けるでしょう。
完璧な人間がいないように、自分の親も不完全な存在です。
でも、子どもの頃の私達はそんなことに気付ける術がありません。
親の不完全さを子どもがかばったり、補おうとすることで、
またその価値観=着ぐるみを子ども達が身につけ、背負って生きていくのです。

その中で無理をしたり、我慢することで、
その価値観にあった生き方をしようと努力しながら、
同じような価値観やものの見方を着ぐるみのように着込んでいきます。
自分のことを大切にするとか、自分のことを愛するということは後回し。
そうやって着ぐるみ状態で重くなった私達も、人生の様々な出来事の中で
自然と着ぐるみを剥がされていくと言います。
つまりは、今辛い想いをしていたり、大変な状況の人は、
本来の自分に戻るためのチャンスだということです。
自分をたいせつにするためのワーク①
著者も20代で精神科に通う程、苦しくなってしまったり、
その後も大きな病気をしたり、離婚を経験したりと様々な「挫折」があったといいます。
でも、自分に起こったことは自分で対処しなければいけない、
どうするか、どうしたいかは自分で決めるしかないと決意をし、
まずは「自分をたいせつにすること」を始めたそうです。
苦しい中で出来ることから始めたことで、少しずつ「自分風の着ぐるみ」を
脱いでいくことができたそうです。
ここからが、具体的な自分を大切にするワークが始まります。
まずは、「誰にでも知っておいてほしいセルフケア」として、
「半身浴」と「足湯」が紹介されています。
からだが変わることでこころも変わる。
からだをケアすることが、自分を大切にするための実践的かつ基本的な方法になります。

半身浴はみぞおちから下を40度以下、体温以上のお湯で20~30分以上入ります。
半身浴が難しいときは、足湯を30分以上することがおススメだそうです。
自分をたいせつにするためのワーク②
ここからが本格的に自分をたいせつにするためのワークが始まります。
「からだは、こころとつながっています。」という著者が提案する実践法です。
まずは、「からだたいせつにするワーク」です。
- 本当に美味しいと感じるものを食べる。
- からだ(特に下半身)をあたためる。
- セルフマッサージをする。
- 可能であれば、マッサージに通う。
- こまめにからだを動かす。
- 朝日を浴びる。
- しょっちゅう鏡を見る。そして、自分に対して微笑む。
- 可能な限りSNS断ちする。
- 深呼吸(腹式呼吸がおすすめ)をする。
- 手で土に触れる。
- 木とともだちなる。
- 天然素材の服を身に着ける。
- 自然に触れる。
日常に取り入れやすいものも多いので、実践できそうなものやぴんと来たものから始めてみましょう。
自分をたいせつにするためのワーク③
次に「こころをたいせつにするワーク」です。
ここでも著者は具体的な方法から少しずつ自分をたいせつにしていくよう提案しています。
- ことばを換える。「思っていること」と「いうこと」を一致させる。
- やわらかく、意味のあることばをてきかくに、はっきりと話す。ネガティブなことばは言い換える。
- 自己卑下することばをやめる。
- 誰かを批判したり、悪口をいうことをやめる。
- どんなできごとも、本来の自分に戻すために起こっていると捉える。
- 起こったことに対して、全て自分の責任だと捉える。
- 罪悪感や自己卑下の思いを断ち切る。
- 毎日寝る前に、「ああ!すばらしい一日だった」、朝起きたら「すばらしい一日がはじまった!」という。
- 毎日寝る前に、今日よかったことを10個あげる。
- エミール・クーエ(フランスで活躍した自己暗示法の創始者)のことばをとなえる。「日々、あらゆる面で、わたしはますますよくなっていきます。」
- からだの部位や臓器に話しかける。
- 悩み事や傷ついていることがあれば、それに取り組む。専門家の力をかりたり、本を読むなど。
- 気が向かない場所へは行かない。気をつかう人間関係と距離を置く。
- 13までをたいせつにした上で、自分本位をやめる。愛を行為で示す。
まずは、違和感があっても習慣にすることが大事だと思います。
個人的には、そういった習慣から少しずつ自分に対することばや
周りの人に対する目も優しくなるんじゃないかなと思います。
自分をたいせつにするためのワーク④
そして、最後のワークは「わたしをたいせつにするワーク」です。
これは、自分の向き合うためのワークです。
- ノートにこれからどうしたいか、やりたいこと、思いついたことを書いて、自分と打ち合わせする。
- 人と自分を比べるのをやめる。比べるときは、過去の自分と比べる。
- いつも自分を観察する。疲れているのか、今の行動が恐怖心から行っているのかなど。
- どんなことに反応するのか、観察する。誰かと話していて違和感があったことなど。
- ご褒美タイムをもうける。自分が喜ぶことをする。
- 気をつかうのをやめる。
- 本当に楽しいことだけをする時間を1日5分でもいいからする。
- 思いっきり笑ったり、泣いたりすることを自分にもっと許す。
- 日記を書き、自分が感じたことや本心を素直に書く。
- 生まれてから今日までの年表をつくる。
- 家族の地図を作り、ひとりひとりとの関係を書き出す。
- 家族の口癖を点検する。
- 自分の得意なこと、いいなと思っていること、おもしろいなと思っていること、たのしい瞬間のこと、ほめてもらったことを書き出す。
- ちいさなころ好きだった物語をもう一度読み直す。
- 自分の部屋を掃除する。
- 思いっきりやってみたかったこと、やると楽しいことだけをする。
ワークを続けると何が起こるのか
著者もワークを続けながらも、行きつ戻りつで、そのたびにワークを通して、また自分と向き合い続けているそうです。
でも、実際にワークを続け、
少しずつ「自分風」が剥がれ落ち、
どんどん本当の自分に戻っていったといいます。
具体的な変化として、以下のようなことがあったと言います。
抜粋して書き出すと、、、
- 気をつかわなくなった
- 孤独感がなくなった
- 「正しい」ではなく「たのしい」を優先できるようになった
- からだもこころも見違えるほど健康になった
- 人と比べなくなった
- 罪悪感が無価値間をもたなくなった。もっても即座に気づいて開放できるようになった
- 先のことを心配しなくなった
できないことができるようになる訳ではないですし、
完璧な人間になる訳でもありません。
ただ、本来の自分に戻ることで、生きやすくなったといいます。
生きるのが楽になり、堂々と安心して、ほがらかに、たのしく生きられるようになったのです。自分で生きることの居心地がよくなった。自分でいることにしっくりくるようになったのです。きげんがよくなったともいえそうです。人に対して、役立っているという感覚も増しました。同時に人との境界線もここちよく引けるようになりました。
自分をたいせつにする本 服部みれい著
さいごに
自分を大切にすることって、すごく抽象的で何をしたら良いのか分かりませんでした。
でも、この本は身体のケアをはじめとして、具体的な”行動”によって、思考も変わっていくことを教えてくれました。
確かに、時間がかかることだと思います。
でも、ちょこっとずつ自分の身体を通して、自分を大切にしていけたら、
自分にことも愛せるんじゃないかなと感じています。
まずは、心が動くことややってみたいと思うことから実践してみようと思います。
コメント